プーチン氏がUAEを訪問、ウクライナでの戦争中に異例の外遊
(CNN) ロシアのプーチン大統領は6日、アラブ首長国連邦(UAE)を訪問し、両国関係は過去最高の水準にあると表明した。2年近く前のウクライナ全面侵攻以降、プーチン氏が中東を訪問するのは初めて。
プーチン氏はUAEの首都アブダビでムハンマド大統領と会談し、両国の関係を称賛。UAEを「アラブ世界におけるロシアの主要な貿易パートナー」と評した。
この後、プーチン氏はサウジアラビアのムハンマド皇太子と会談するため、サウジの首都リヤドを訪問する。中東や欧州で戦争が続く中、湾岸諸国との緊密な関係を誇示し、引き続き関係醸成を図りたい考えだ。
国際刑事裁判所(ICC)がウクライナでの戦争犯罪容疑で逮捕状を発付して以降、プーチン氏の外遊は少なくなっている。UAEとサウジはICCのローマ規程を批准しておらず、プーチン氏を逮捕する義務はない。
ICCの逮捕状により、プーチン氏の外遊には大きな制約が課されている。南アフリカがローマ規程の署名国であることから、プーチン氏は8月にヨハネスブルクで開かれた新興5カ国(BRICS)首脳会議への対面出席を見送った。
プーチン氏はUAE、サウジの湾岸両国と良好な関係を保つ。両国は対ロシア制裁への同調を求める欧米の声にもかかわらず、ウクライナ全面侵攻をめぐり中立的な立場を維持している。
プーチン氏はロシアとUAEの歴史的な絆を強調。ソ連が1971年、UAEを主権国家として最初に承認した国の一つになったことに言及した。
首脳会談の前には、今回の訪問を活用して石油から貿易、ロシアのウクライナ侵攻、イスラエルとイスラム組織ハマスの戦争まで、幅広い問題を協議したいとの考えを表明した。