バイデン氏、ハマスとプーチン氏を非難 共に「隣接する民主主義国の消滅」目指すと主張
(CNN) バイデン米大統領は19日夜、ホワイトハウスの執務室からの演説でイスラエルとイスラム組織ハマスとの戦争に触れ、「我々は歴史の転換点に直面している」との認識を示した。
ハマスの人質となっている米国人については、あらゆる経路を駆使して帰国を実現する意向を改めて表明。一方でロシアのプーチン大統領に言及し、「隣接する民主主義国の消滅」を目指す点でハマスと通じるところがあると指摘した。
演説の中でバイデン氏は、イスラエルに対する攻撃とウクライナへの侵攻は共通の動機に基づいていると主張。ハマスとプーチン氏について、どちらも隣接する民主主義国を完全に消滅させたがっていると述べた。
その上で、両者の行動に歯止めをかけることが当該地域での紛争拡大の抑止につながると表明。米国の安全保障を危うくする事態を避けるためにも、ウクライナとイスラエルに背を向けるべきではないとの見方を示した。
20日には議会に向け、「緊急の予算請求」を行う予定だとした。中身は米国の安全保障に関わるもので、イスラエルとウクライナを含む重要な提携国を支援するための資金になるという。
この他バイデン氏は、今週発生したパレスチナ自治区ガザ地区の病院での爆発に触れ、イスラエルに「責任がない」とする米国側の評価を改めて強調した。
米国の情報機関は、ハマスが実効支配するガザ地区での病院爆発による死者数について100〜300人である可能性が高いとみている。
バイデン氏は演説で「パレスチナ人の命が悲劇的な形で失われたことに心を痛めている。ガザで起きた病院爆発を含めてだ。爆発はイスラエルによるものではなかった」「我々は罪なく失われたあらゆる命を悼む。罪のないパレスチナ人たちの人間性を無視することはできない。彼らはただ平和な暮らしを望み、その機会を手にしたいと願っているだけだ」と述べた。