国境なき医師団、イスラエル軍に攻撃受けたと発表 看護師ら2人死亡、「証拠」も破壊
(CNN) 医療支援団体の国境なき医師団は、同団体の車列が11月18日にパレスチナ自治区ガザ地区北部でイスラエル軍の攻撃を受け、職員ら2人が死亡したと発表した。うち1人はガザ市内にあるシファ病院のボランティア看護師だった。
イスラエル国防軍はCNNの取材に対し、国際人道法に基づく医療関係者の保護については認識しており、危害が及ばないように行動していると強調。軍事目標を攻撃する際は、民間人の犠牲を軽減するために実行可能な予防措置を講じていると言い添えた。
国境なき医師団の発表によると、同団体の車列はこの日、ガザ地区南部へ行こうとしたが、最後の検問所通過をイスラエル軍が許可しなかったため、ガザ市内のオフィスに戻る途中で攻撃された。車列は国境なき医師団の車であることをはっきり明示していた。
南部へ向かうことについては双方に連絡し、イスラエル軍に指示された行程に従って車両5台で出発したという。
しかし検問所では3時間待たされて日が沈み始めた。待っていた何百人の中には検問所通過をあきらめて北部へ戻る人もいた。
医師団の車両も銃声が聞こえたためにガザ北部へ戻ることにしたが、ガザ市内のオフィス近くで攻撃されたという。
車の中にいたスタッフは「戦車やビルの屋上にいる狙撃兵が見えた。狙撃兵や戦車が、我々の車列の4番目と5番目の車を狙っているのを見て震え上がった」「相手は我々に対する銃撃を開始し、私は銃弾がひたいをかすめて表面に傷を負った。その銃弾は、隣に座っていた同僚のアラーに命中した」と証言する。
アラーさんは、この攻撃で死亡した。
11月20日には、同医師団の車両5台とガザ市内の診療所が、イスラエルのブルドーザーと大型軍用車両によって破壊されたという。全て国境なき医師団のマークで見分けがついたはずだと同医師団は述べ、「破壊された車両は、11月18日の攻撃に関して中立的な捜査が行われた場合の証拠となるはずだった」と主張している。
この車両が破壊された後、国境なき医師団は再度の避難を試みるため、ガザ地区南部から北部のガザ市へ別の車両を派遣した。
「ところが、その車両も国境なき医師団の診療所に近づいたところで攻撃され、避難は中止になった。11月24日、その車両もイスラエル軍によって破壊された」(同医師団)
最終的に、11月24日から一時的な戦闘停止が実現したことで、職員や家族は民間人を避難させる別の車両を使って南部へ到達できた。
同医師団は、この攻撃に関する中立的な立場からの捜査と、イスラエル当局からの公式説明を求めている。