ガザ地区の語り手アラリール氏、空爆で死亡 自らの死を想定した詩を残し

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アラリール氏(左)とその友人や同僚=2014年、ニューヨーク/Courtesy Jehad Abusalim

アラリール氏(左)とその友人や同僚=2014年、ニューヨーク/Courtesy Jehad Abusalim

長い間包囲された状態で暮らしてきたガザ市民にとって、死の恐怖は常に身近にあった。イスラエルのガザ攻撃は、若い頃の戦争の記憶を思い起こさせるとアラリール氏は言った。

ガザ市シャジャイヤに生まれたアラリール氏は、2014年のイスラエル軍の空爆によって自宅が破壊され、一家でガザ市の別の場所への転居を強いられた。27歳だった弟は、この攻撃で命を落とした。

「私たちはそのことを語りたがらない。あの子どもたちや家や生活が、数年ごとに何度も、何度も破壊されていることを、考えたいとさえ思わない」

建物が爆撃される音は「地球全体に鳴り響く」ように感じられたとアラリール氏は言った。「ドアが閉まる音でさえも、そうした記憶がよみがえることがある」「だからパレスチナ人に戦後のトラウマはないと我々は言う。それは止まることがないから」

あれから9年たった今も、ガザ市民は執拗に続くイスラエルの空爆から自分たちや子どもたちを守る術がなく、「無力感と絶望」を感じているとアラリール氏は話し、爆撃にさらされた子どもたちは心と体に傷を負っていると指摘した。

「最初の2~3日は恐怖にとらわれる」「それがやがて無感覚に変わり、完全な無関心状態、放心状態になる」

「祈りたくても爆撃があるから途中でやめる。食べたくても爆撃があるから食べるのをやめる」

「子どもを抱きしめて物語を聞かせたり、頭をポンポンとたたいたりしたいと思う」「でも、それが最後のお別れのように感じたり、子どもにそう感じさせたくないと考えてやめようと思う」

「我々は子どもたちが生き延びた戦争の数で年月を数える」

アラリール氏はそう語っていた。

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