ヨルダン川西岸で死亡の住民477人、05年以降で最悪 国連
(CNN) 国連人道問題調整事務所(OCHA)は16日、パレスチナ自治区ヨルダン川西岸地区で殺害された住民は今年これまで477人に達し、記録収集を開始した2005年以降では最悪になったと報告した。
東エルサレムを含めた今回調査の対象期間は今年1月1日から12月15日までで、犠牲者の半数以上が10月7日以後に生じていた。同じパレスチナ自治区であるガザ地区を実効支配するイスラム組織「ハマス」は同日にイスラエルへ大規模奇襲を仕掛けていた。
OCHAによると、西岸地区での死者の3分の2はイスラエル軍による「捜索や逮捕の試み」の最中や他の作戦実施中に発生した。
東エルサレムを含む西岸地区で10月7日以降に記録されたパレスチナ人278人の死亡のうち子どもは70人。268人はイスラエル軍に、8人はイスラエル人入植者、2人はイスラエル軍もしくは入植者に殺されていた。
西岸では入植者がパレスチナ人を攻撃する件数も10月7日以後に増加。週間あたりで平均35件だった。同月6日以前の期間では平均21件だったという。
CNN取材団は先週、入植者とイスラエル軍が協力し、西岸地区に住むパレスチナ人家族の間に「恐怖の文化」を浸透させる方途を確認してもいた。バイデン米大統領はイスラエルに対し「過激な入植者たち」に制裁を科すよう促してもいる。
イスラエルは10月7日以降、西岸で治安対策も強化。これ以前にはパレスチナ人住民の移動の自由を厳しく制限してもいた。