暴行や虐待の5日間、イスラエル軍に拘束されたパレスチナ少年らが証言
ゼンダーさんの父のナデルさんは言う。「突然、人々の悲鳴やイスラエル兵の叫び声が聞こえた。ブルドーザーが住宅を破壊していた。(イスラエル兵は)住宅のドアを開けて女性を男性から引き離し、我々のパンツを脱がせてシャツをまくり上げ、壁に向かって並ばせた。それから我々を家の外に連れ出して目隠しした」
ナデルさんたちはトラックに乗せられて連れ回された。
「相手は僕たちを床に押さえ付けて足を僕たちの頭に置き、『お前はハマスか』と尋ねて殴った。眠りたくても、あまりの寒さで寝られなかった。着るものやかぶるものが欲しいと言うと殴られた」。モハンマド・オデハさん(16)はそう話す。
糖尿病をもつマフムード・エスレームさん(40)は衰弱した状態で病院に到着した。一緒に拘束された息子のモハンマドさんによると、拘束されている間、エスレームさんのインスリン投与は認められなかった。
翌日になると、エスレームさんの容体はさらに悪化した。付き添っているいとこによると、ほとんど立つこともできなくなり、足の痛みを訴えて時折意識が遠のくという。
アクサ殉教者病院のハリル・アル・ダクラン医師は、「全員が体も心も疲れ切った状態で到着した。病院へは途中まで歩き、途中で救急車が出迎えた。必要な治療は行った」と話す。「みんな両腕に拷問の痕があり、全身に殴られた痕跡があった」
イスラエル軍は、「テロ活動の疑い」がある人物を拘束して尋問し、「テロ行為に関与していないことが分かった人物は釈放した」と説明。イスラエル軍がCNNに寄せた声明では「拘束者の扱いは国際法に従った」と強調している。