自民党に打撃、有力派閥の事務所へ強制捜査 政治資金規正法違反の疑い
東京(CNN) 日本の与党・自民党が過去数十年間で最大のスキャンダルに見舞われている。主要派閥の議員らに対し、政治資金収支報告書に記載していない巨額の資金が還流されていた疑惑が浮上した。
東京地検特捜部は19日、政治資金規正法違反の疑いで強制捜査に乗り出し、自民党の「清和政策研究会」(安倍派)と「志帥会」(二階派)の事務所を捜索した。
このうち安倍派では、所属議員側にパーティー収入の一部をキックバック(還流)していたが、これが収支報告書に支出として記載されていなかった。裏金化したこれらの資金の総額は、去年までの5年間で、およそ5億円に上るとみられる。NHKが明らかにした。
また二階派でも、派閥の収支報告書に記載されていないパーティー収入の総額が去年までの5年間で、1億円を超えるとみられている。
林芳正官房長官は最近の記者会見で、岸田文雄首相が必要な措置を講じて確実に説明責任を果たす意向だと明らかにした。
スキャンダルの影響を抑え込むべく、岸田氏はこのほど閣僚4人を入れ替えた。しかし最新の世論調査では、こうした人事に支持をつなぎとめる効果がほとんどなかったことを示唆している。
毎日新聞の調べによれば、岸田内閣の不支持率は79%と、毎月の世論調査が始まった1947年以降で最低だった。