北朝鮮がICBM級発射、射程1万5000キロ超か
ソウル(CNN) 防衛省によると、北朝鮮は18日午前、米本土全体を射程に収める大陸間弾道ミサイル(ICBM)級のミサイル1発を発射した。
三宅伸吾防衛政務官は記者会見で、軌道から推定すると、弾道の重量によっては射程が1万5000キロを超えるミサイルだったとの見方を示した。
日本政府によれば、ミサイルは最高高度6000キロ超で約73分間飛行し、約1000キロ離れた北海道西方沖に落下した。
米本土まで到達するには、打ち上げの角度をもっと下げる必要がある。今回のように高角度で打ち上げる「ロフテッド軌道」の実験では、弾頭が浅い角度での大気圏再突入に耐えられるのか、長い距離を正確に飛行できるかなどの検証ができない。
ミサイルの種類は不明だが、北朝鮮が4月と7月にも発射した固体燃料式ICBM「火星18」の第3弾とみられる。事実とすれば、3回連続で実験が成功したことになり、ミサイル開発計画の成熟ぶりを示すとの見方もある。
北朝鮮は3月に液体燃料式の「火星17」も発射していた。固体燃料式はこれに比べて保管や移動がしやすく、敵の探知を避けて迅速に発射することができる。
韓国軍の合同参謀本部によると、北朝鮮は17日夜にも短距離弾道ミサイル1発を発射していた。飛行距離は570キロ。
北朝鮮国防省の報道官は直後の声明で、米国と韓国による「無謀な軍事的挑発」を非難。米韓が来年半ばまでに核抑止態勢を強化し、8月に大規模合同演習を実施すると発表したこと、米海軍の原子力潜水艦ミズーリが先週、韓国の基地に入港したことを挙げた。
北朝鮮のミサイル実験や強気の発言を受け、米韓と日本はミサイル追跡情報の共有などでさらに連携を強めているとの指摘もある。