ウクライナ各地にミサイル攻撃、31人死亡 「ほぼ全種類の武器使用」とゼレンスキー氏
(CNN) ウクライナは29日朝、ロシアによる大規模なミサイル攻撃を受け、少なくとも31人が死亡、150人以上が負傷した。ウクライナ外務省は昨年2月の侵攻開始以降、最大規模の空からの攻撃としている。
がれきと化した各地の現場では依然、捜索活動が続けられている。
外務省によると、攻撃を受けたのは首都キーウ(キエフ)や西部リビウ、中部ドニプロ、南部オデーサ、東部ハルキウ、西部フメリニツキーなど広範にわたる。
首都キーウで攻撃後に炎を上げる建物の消火に消防士が向かう=29日/Ukrainian Emergency Service/AP
爆撃後のドニプロの産科病院前の前を清掃する作業員=29日/Thomas Peter/Reuters
北東部ハルキウでロシアのミサイル攻撃による被害現場に出動する消防士=29日/Yevhen Titov/Reuters
一斉攻撃で50軒近くの住宅やアパート、学校、ショッピングモールなどが損壊した。ドニプロでは産科病院も攻撃を受け、大きく損傷した。
ゼレンスキー大統領は「ロシアは保有する、ほぼ全種類の兵器を使用した」と攻撃を非難。ゼレンスキー氏がSNS「テレグラム」で明らかにしたところによると、計110発のミサイルが発射され、大半は撃ち落とされたという。
また、ロシアは攻撃に弾道ミサイルのキンジャルや地対空ミサイルのS300、巡航ミサイル、ドローン(無人機)を使用したと指摘した。戦略爆撃機からX101やX505と呼ばれるミサイルも発射されたという。
ウクライナのクレバ外相はX(旧ツイッター)への投稿で、「今日ウクライナで聞こえた大きな爆発音が、ウクライナへの追加支援を現在議論している主要国の議会などにも届くことを願っている」などと書き込んだ。加えて「ロシアのテロを抑え込めるのは、ロシアを上回る兵器だけだ」と述べ、各国にさらなる支援を求めた。
ウクライナ空軍によると、29日午後も攻撃が続いた。チェルカーシ州への連続ミサイル攻撃があり、同州スミーラに1発着弾した。ロシアのクルスク州からウクライナ北東部スーミに向かうミサイルも探知された。