イスラエル軍の人質射殺、救出作戦失敗の経緯が明らかに
(CNN) イスラエル軍は28日、パレスチナ自治区ガザで兵士が人質3人を誤って射殺した問題について、軍の人質救出作戦が失敗したとする報告書を発表した。
イスラエル国防軍(IDF)のヘルジ・ハレビ参謀総長は、人質が射殺される事態は防ぐことが可能だったとした上で、この出来事に悪意はなかったと断定し、「兵士たちはその時点で最善の状況判断に基づき適切に行動した」とした。
男性3人は10月7日、イスラム組織ハマスに拉致されてガザ地区へ連れ去られ、12月15日にIDFがガザ市周辺で行った作戦中に誤って射殺された。
報告書によれば、イスラエル軍の司令部は人質の居場所に関する情報を入手しており、人質がいる可能性のある場所に対する攻撃を防ぐ措置を講じていた。
しかし調査の結果、現場の兵士たちは、人質救出作戦にかかわっているいという認識はあったものの、人質が自分たちに近付いてくる可能性や、人質に遭遇する可能性について十分に認識していなかったことが分かった。
12月15日、1人のイスラエル兵が、3人の人質を「脅威と認識して」2人を殺害。残る1人は逃走し、部隊の指揮官はこの人物を特定するために銃撃を控えるよう命令した。
指揮官はヘブライ語で助けを求める声を聞いて、兵士たちの方に来るようこの相手に呼びかけた。人質は建物から出て部隊に近付こうとしたが、2人の兵士は「近くの戦車の騒音が原因で」発砲を控えるよう命じた指揮官の声が聞こえず、人質を銃撃して死亡させた。
ハレビ参謀総長は、人質の殺害はあってはならないことだったと強調している。
死亡した3人はいずれも若い男性で、イスラエルのキブツから誘拐されていた。