イラン、抗議デモ参加者の死刑執行 メンタルに問題と人権団体が非難
(CNN) メンタルヘルスに問題を抱えたイランの抗議デモ参加者が、現地の当局者の死亡に関する罪で死刑を宣告され、刑が執行された。 イラン司法当局の公式メディア、ミザン通信が23日に報じた。
モハマド・ゴバドルー氏は2022年にイラン全土を揺るがした大規模抗議に参加。現地の当局者の死亡に絡み、故意の殺人罪に問われていた。ミザン通信によれば、487日間の司法審査を経て、23日午前に刑が執行されたという。
国際人権団体アムネスティ・インターナショナルによると、ゴバドルー氏は22年9月に行われたテヘラン州での抗議デモの最中、当局者を車でひいた疑いがもたれていた。
死刑宣告を言い渡した判事は、活動家やジャーナリスト、政治犯らに厳しい判決を下すことで知られ、米国の制裁対象にもなった人物だった。CNNが以前報じていた。
ゴバドルー氏の弁護士は、自身の依頼人に関する判決について知らせを受けていないと指摘。ミザン通信に対して、死刑執行を巡るより多くの情報を公開するよう求めた。
アムネスティは「極めて不公平な茶番」と評する裁判を経ての死刑判決を批判。拷問による「自白」が行われていた点や、厳格な精神衛生上の評価が実施されていなかったと示唆した。ゴバドルー氏は精神障害を抱えていたという。
アムネスティによると、ゴバドルー氏は15歳の時から精神科の監視下にあった。国際的な法律や尺度では、精神障害を抱えた人に対する死刑の適用は禁止されている。
ノルウェーに拠点を置くイランの人権団体、イラン・ヒューマン・ライツを統括するマフムード・アミリ・モガダム氏は、ゴバドルー氏の死刑執行を「司法外殺人」だと非難した。