ヨルダンの米軍拠点にドローン攻撃、米兵3人死亡
(CNN) 米当局者らによると、ヨルダンのシリア国境付近にある米軍の前哨基地が28日朝までにドローン(無人機)攻撃を受け、兵士3人が死亡、30人以上が負傷した。
ドローンは兵舎付近に命中したという。最終的な負傷者はさらに増える可能性がある。
昨年10月にイスラム組織ハマスとイスラエルの軍事衝突が始まってから、中東での攻撃で米兵が死亡したのは初めて。
10月以降の攻撃で、この基地が標的となったのも初めてとみられる。防空システムでドローンを迎撃できなかった原因は不明。米兵らはヨルダンへの助言、支援任務のために駐留している。
米当局者らは、親イラン民兵組織がシリア側から攻撃を仕掛けたとの見方を示す一方、具体的な犯行集団は特定されていないと述べた。
バイデン米大統領は28日夜、テレビを通した声明で、テロとの戦いを続け、犯人の責任を追及すると表明した。
ヨルダンの閣僚も「テロ攻撃」と非難し、テロの脅威に立ち向かう決意を改めて表明した。同国当局者らはこれまでも、紛争が中東全体に拡大する可能性に懸念を示してきた。
一方この日、米兵の死亡が発表される前に、イラクで複数の親イラン民兵集団を統括する「イラクのイスラム抵抗運動」(IRI)がSNS「テレグラム」に声明を投稿。シリアとヨルダンの国境沿いで数カ所の施設を攻撃したと発表した。標的の中には、米兵が死亡した基地に近い拠点が含まれていた。
IRIは声明の中で、「イラクの米占領軍」に抵抗し、「イスラエルによるパレスチナ地区ガザ地区住民の虐殺」に対抗するため、28日早朝にドローン攻撃を仕掛けたと主張した。
イラクとシリアで昨年10月以降に米軍と有志連合軍が受けた攻撃は、26日までに158件以上報告された。だが当局者らはこれまで、ドローンやロケット弾、ミサイルが飛び交っても失敗に終わり、重傷例や施設の被害には至らないことが多いと強調していた。