不倫相手と共謀、幼児2人を投げ落として殺害の罪 中国で男女の死刑執行
香港(CNN) 中国南西部の重慶市で幼児2人を集合住宅の高層階の窓から投げ落として殺害したとして有罪を言い渡された男女の死刑が、1月31日に執行された。この事件に対しては国民から憤りの声が噴出していた。
最高人民法院によると、死刑が執行されたのは殺害された2人の子どもの父親の張波死刑囚と、交際相手の葉誠塵死刑囚。自分たちが結婚するために、張死刑囚が最初の結婚でもうけた子どもを事故に見せかけて15階の窓から投げ落としたとされる。
張死刑囚は自分に妻子がいることを隠して葉死刑囚と交際していたが、既婚者だったことを葉死刑囚に知られると妻とは離婚。葉死刑囚は張死刑囚と結婚するためには子ども2人が「障害」になり、「自分たちが一緒に過ごす未来の人生の負担」になると考えて子どもの殺害を繰り返し張死刑囚に迫り、殺害しなければ別れると脅した。
張死刑囚は葉死刑囚と共謀して2020年11月、寝室の窓の近くで遊んでいた娘(当時2)と息子(当時1)を15階の窓から投げ落として死亡させた罪に問われ、21年12月、2人に死刑が言い渡された。
新華社通信によると、最高人民法院は2人の犯行について「法的、道徳的な最低ラインに対する重大な挑戦」と位置付け、「極めて卑劣」かつ「あまりにも残忍」な動機だったと断罪した。
死刑執行のニュースは中国のSNS大手ウェイボー(微博)でトップトレンドに浮上。「極刑に値する」「満足だ」といったコメントが多数の支持を集めている。
中国では20年に実施された世論調査で、68%が死刑を支持していた。