中国のハッカー、「米インフラへの攻撃を準備」 FBI長官が警告
(CNN) 米連邦捜査局(FBI)のクリストファー・レイ長官は1月31日、米議会下院委員会の公聴会で、中国のハッカーが米国に「大混乱を引き起こし、実害をもたらす」準備をしていると警告した。
レイ氏は下院の「米国と中国共産党の戦略的競争に関する特別委員会」の公聴会で、「中国のハッカーが米国の市民や社会に大混乱を引き起こし、実害をもたらす準備を進める中で、米国のインフラに狙いを定めている」と指摘した。
サイバー当局者らは以前から中国のサイバー攻撃の能力について警告しているが、レイ氏の公の場での重大な警告は、中国のハッカーが全米の重要なインフラにもたらす脅威について米政府の上層部が大きな懸念を抱いていることを示している。
レイ氏によると、ハッカーらは水処理施設、電気インフラ、石油や天然ガスのパイプライン、交通システムなどを標的にしているという。「重要なインフラに対するサイバー攻撃の脅威は、物理的な安全に対する現実世界の脅威だ」とも指摘した。
中国政府はこれまで、サイバー攻撃を否定している。
今回の公聴会は、米中の当局者らが二国間関係の緊張を和らげようと働きかけているなかで開催された。CNNは先月30日に、昨年11月の米中首脳会談で中国の習近平(シーチンピン)国家主席がバイデン米大統領に、中国は米大統領選に干渉しないと確約したと報じた。
情報筋がCNNに明らかにしたところによると、中国の王毅(ワンイー)外相も先週末にサリバン米大統領補佐官(国家安全保障担当)に同様の確約を伝えたという。