モスクワでジャーナリストら拘束、兵士の帰還求めるデモ
(CNN) モスクワ市内にあるプーチン大統領の選挙対策本部で実施された抗議デモの取り締まりで、外国報道機関のジャーナリストらを含む数十人が拘束された。現地の独立系メディアが3日に伝えた。
ウクライナの戦場に動員された兵士らの帰還を求める妻や母親らの声が高まるなか、「動員500日」の集会と題して妻たちがデモを主催した。
CNNが閲覧したビデオには、モスクワ中心部の「赤の広場」で「報道」のベストを着た数人が拘束される場面が映っている。
デモに参加した女性らは大統領府の壁の外に集まり、近くにあるプーチン氏の選対本部に移動した。
ロシアの独立系ニュースサイト「SOTA」はSNS「テレグラム」上で、治安部隊が男性だけを無作為に拘束している現場を記者が目撃したと伝えた。
人権団体「OVDインフォ」は、少なくとも27人が警察車両で運ばれ、近くのキタイゴロド駅に拘束されていると指摘した。
OVDインフォによると、このうち女性は1人だけだった。同団体は現地に弁護士を派遣し、拘束者との面会を試みたが拒否された。
さらに、デモを取材していたジャーナリスト7人が市内の警察署に連行されたという。
もうひとつの独立系ニュースサイト「メディアゾナ」は3日、ロシア紙コメルサントや仏AFP通信、独誌シュピーゲルのジャーナリストや、人権活動家らが拘束されたと伝えた。
OVDインフォはその後、キタイゴロド駅から国営メディアの従業員1人と未成年者3人が解放されたと報告した。警官らはこの従業員らに、残る国内外メディアの従業員もまもなく解放するが、「外国の工作員」は警察署に残すとの方針を伝えた。拘束された人々は全員、携帯電話を取り上げられたという。