ウクライナ軍総司令官を解任 ゼレンスキー氏発表
ウクライナ・キーウ(CNN) ウクライナのゼレンスキー大統領は8日、ウクライナ軍のザルジニー総司令官の解任を発表した。後任は2019年から陸軍司令官を務めているオレクサンドル・シルスキー氏。
軍トップの交代は約2年前のロシアによる全面侵攻以来、最も大きな軍人事となる。
ザルジニー氏解任の臆測は先週から広がっていた。反転攻勢が失敗し、ロシア軍の猛攻撃に直面していることを受けて、ゼレンスキー氏とザルジニー氏の間ではこのところ緊張が高まっていた。
正式発表の直前、ゼレンスキー氏はザルジニー氏と「軍にどのような刷新が必要かについて協議した」とSNSのテレグラムに投稿。さらに「そうした刷新を今行うときだ」と書き込んだ。
ザルジニー氏も同日、「22年の任務は24年の任務とは異なる。誰もが新しい現実にも適応しなければならない」と自身のテレグラムチャンネルに投稿。ゼレンスキー氏と「重要かつ真剣な協議」を行い、「アプローチと戦略を変える必要があるとの判断に至った」と書いた。
ザルジニー氏は21年7月に軍総司令官に任命された。情報筋によると、ゼレンスキー氏から新たな職務を提示されたが、断ったという。
両者の間では見解の相違に拍車がかかっているとの見方が出ていた。昨年11月、ザルジニー氏は戦況が「膠着(こうちゃく)状態」にあるとの認識を表明。大統領府の高官は、ロシアを利するだけの言説だとしてこれを厳しく批判した。
また、ウクライナ軍に大規模な動員の措置が必要かどうかを巡っても両者の考えは対立していた。