米上院、国境対策と対外支援盛り込んだ法案を否決 共和党が反対票
(CNN) 米連邦議会上院は7日、南部国境における警備強化とウクライナ及びイスラエル向けの支援パッケージに関する超党派の法案を巡って採決を行った。共和党議員が反対票を投じ、法案は否決された。
法案に対してはトランプ前大統領や下院共和党の指導部が強く反対していた。
法案は国境に関わる規制措置を制定する内容で、共和党のジェームズ・ランクフォード議員(オクラホマ州選出)が作成に一部携わったが、同じ共和党議員の反対票で否決される予想外の結果となった。
法案に対する圧力をかけていたトランプ氏は、自身が出馬する大統領選で国境問題を争点の中心に据えようとしている。
法案の否決を受け、米国の重要な同盟国であるウクライナとイスラエルに向けた支援は、極めて重要なタイミングで実現が危ぶまれる事態となった。
今回の採決に続き、議員らには国境関連の条項がない対外支援に特化した法案の通過に向けた圧力が高まることになるが、今後の展開は不透明だ。一部の共和党議員はウクライナへの追加の支援に反対している。
民主党議員は、共和党議員が国境対策を含む法案に軒並み反対したことへの怒りを表明。共和党議員を信頼できる交渉相手とは見なせず、国境問題を政局の中心に置きたいトランプ氏の圧力に屈したと非難した。
トランプ氏や他の共和党議員らはかねて当該の国境対策を弱腰過ぎると攻撃しているが、法案が成立すれば現行の移民法はより強化され、大統領にも南部国境を越える不法移民の規制に関して広範な権限が与えられるとみられている。
米紙ウォールストリート・ジャーナルは社説で、同対策を「過去数十年で最も制限の強い移民法制」と評した。