移民保護施設の外で警官襲撃、7人逮捕 米NY市
(CNN) 米警察はこのほど、ニューヨーク市警の警官2人を移民の保護施設の外で襲撃したとして少なくとも7人を逮捕した。警察の広報担当者がCNNに明らかにした。
ただこのうち4人は釈放され、慈善団体から入手したチケットでバスに乗車。カリフォルニア州のメキシコ国境の町へ移動中だという。警察幹部が明らかにした。
バスに乗ったのがどの容疑者なのか現時点で不明だが、情報筋によればこの4人は保護施設に滞在しており、当該の慈善団体に対しては偽名を名乗っていたという。
刑事告訴状によると事件の発生は1月27日。19歳から24歳までの4人が襲撃や公務執行妨害の罪で逮捕された。
この後29日に22歳の容疑者1人が、31日に24歳と21歳の容疑者2人がそれぞれ逮捕された。このうち21歳の容疑者は強盗と重暴行の疑いで逮捕されたものの、起訴はされず釈放された。検察がCNNに明らかにした。事件の捜査は継続中だとしている。
CNNは容疑者全員の弁護士に連絡を取った、もしくは連絡を試みたが、現在のところ返答はない。
警察の情報筋によれば、検察が保釈金を要求していなかったことなどから、警察にはバスに乗った容疑者らを追跡し、移動を止める法的権限がないという。彼らが裁判所に戻ってくることを想定するしかないが、状況を考慮すればそれが実現する公算は小さいと、この情報筋は述べた。
ニューヨーク市の広報担当者は2月1日、CNNの取材に答え、現在同市では約6万6900人の移民を保護していると明らかにした。2022年春以降、同市に到着した移民は17万3900人を超えているという。
米移民・関税執行局(ICE)はコメントを控えた。
警察によると今回の事件は、タイムズスクエア近くにある保護施設の外で警官らが「騒いでいる集団」を引き離そうとした際に発生。その後殴り合いに発展したという。
警官らが1人を拘束しようとしたところ、「身元不明の人物が大勢で警官らの頭や体めがけて殴る蹴るの暴行を加え」、徒歩で逃げ去った。警官らは軽傷を負い、その場で治療を受けたとされる。
アダムス市長は1日午前、ラジオ番組のインタビューで襲撃に関与した人物らの本国送還を求める声が高まっていることについて問われ、同市には送還の権限がないと答えた。
マンハッタン地区検事の報道官は、当該の重罪で有罪が確定すれば量刑は最長で禁錮7年になるとの見解を示した。その上で捜査は継続中とし、市民らに情報提供を呼びかけた。