「希望失われた」 ナワリヌイ氏死亡、モスクワ市民が反応
(CNN) ロシアの反体制派指導者アレクセイ・ナワリヌイ氏が16日に死亡したとの報道に、首都モスクワの住民からは様々な反応の声が上がった。「運命」だと語る人がいる一方で、衝撃を受けたと漏らす人もいた。
米ロイター通信の映像では、急きょ設置された追悼所に花を手向けたり、ナワリヌイ氏の写真を置いたりする一部の市民の姿が見られた。
観光ガイドのワレリアさん(23)は仏AFP通信の取材に、ナワリヌイ氏は「象徴」だったと語った。
「何よりも反体制運動の象徴、もう少し明るい国の未来に向けた希望の象徴だった。彼の死とともに希望も失われた気がする。もしまだ希望が残っているとしても、以前にも増して薄らいだ」(ワレリアさん)
生物学を専攻する学生、アルチュールさん(27)はAFP通信に「前向きな変化を信じられなくなるので、国を出たいという思いになる」と語った。
モスクワ市民のアレクサンダーさんはロイター通信に対し、ナワリヌイ氏の死は「予想されたことだった」と指摘。「ニュースで生活に適さない劣悪な環境に留め置かれていると報じられていた」と振り返った。
一方、モスクワ市民のタチアナさんは「人生ではあらゆることが起きる。率直に言うと運命だと思う」とコメント。そのうえで「恥ずかしいこと。衝撃を受け、動揺している。彼の家族に対して恥ずかしい。彼はまだ若く、長生きすべきだった」と言い添えた。
別のモスクワ市民のミハイルさんは、ロシアの「敵」には「対処する必要がある。早ければ早いほどいい」と述べ、「我々の世界の自由と大統領に栄光を」と表明した。
ナワリヌイ氏はその政治的なキャリアを通じ、かなりの支持基盤を獲得した。反政府を訴える街頭デモを組織したり、ブログやSNSを活用して大統領府や実業界の汚職疑惑を暴いたりする活動を展開した。
ナワリヌイ氏本人や支持者は2021年の逮捕と収監について、プーチン大統領への異議を封じ込める政治的な動機があると主張していた。