ロシアによる対衛星システム配備の情報、ホワイトハウスが確認
ワシントン(CNN) 米ホワイトハウスは15日、下院情報委員会の委員長が警告した国家安全保障上の脅威について確認した。前日に発せられたこの警告は、「ロシアが開発中の対衛星システム」に関するもの。一方でこれが米国に危険をもたらすとの懸念については鎮静化を図った。
国家安全保障会議(NSC)のカービー報道官は当該のシステムについて、実際に配備され、稼働しているものではないと説明。こうしたシステムを追求するロシアの姿勢は問題だとしつつ、現時点で直ちに誰かの安全を脅かすことはないと強調した。
前日には下院情報委員会のマイク・ターナー委員長(共和、オハイオ州選出)が、「深刻な国家安全保障上の脅威に関する情報」を入手したとする声明を発表し、物議を醸していた。
脅威の詳細を明かさないまま委員会の情報をソーシャルメディアを通じて公開したことについては、同じ共和党の議員らからも批判の声が上がっていた。
国家安全保障会議(NSC)のカービー報道官/POOL
核兵器を利用しているという対衛星システムの配備を巡り、ロシア政府は米国の警告内容を否定。ロシアと戦うウクライナ向け追加支援への支持を取り付けることを狙ったでっち上げだと一蹴した。
カービー氏はロシア側の主張を「くだらない」とし、米国が対衛星システムについて話し合うべくロシア側に依然連絡を取っていることを明らかにした。
カービー氏によれば、米国はロシアが開発中の対衛星システムに関して「数年とは言わないまでも何カ月にもわたって」認識してきたと発言。バイデン大統領は就任当初からこの件について説明を受けていると述べた。
カービー氏はロシアのシステムが人命にとって脅威になるものではないと述べたが、米科学者連盟の核情報プロジェクトのディレクター、ハンス・クリステンセン氏は14日のCNNの取材に対し、対衛星兵器が軌道に乗れば米国の核兵器の管理・制御用衛星にとって重大な脅威となると警鐘を鳴らしていた。