CNNが見たハイチ首都の混沌 脱出できるのは一握り、数百万人がギャングの支配下に
ヘリコプターの音が聞こえるのは決まって夜と早朝だと、ポルトープランスの住民は話す。機体によって音の違いも分かるという。小型の民間のヘリコプターが隣国のドミニカ共和国から到着する一方、より大型の軍用ヘリも飛行している。後者は米国などの外交使節が使用していると考えられている。
とはいえ、どれだけの金額を注ぎ込み、計画を立てても、交戦地帯を飛行する危険性が緩和するわけではない。ヘリコプターのパイロットたちは、空路の脱出を請け負うのに一段と慎重になっている。
CNNの取材に答えた2人のパイロットは、脱出のための飛行中に発砲された時のことを振り返った。弾丸が飛んでくる金属音を聞けば二度と飛びたくなくなると、このうちの1人は語った。
もう1人は、市全土がギャングに統治されているとの見解を示し、どこから発砲されるか予測ができないと指摘した。
国連の推計によれば、現在ポルトープランスの8割をギャングが支配しているという。
ハイチの国家警察は果敢に反撃しているが、人員には限りがあるのが実情だ。一度に広範囲へ対応することはできず、警官側が標的になることも多い。この2週間で複数の警察署が襲撃もしくは焼き討ちに遭った。
ポルトープランスにとっての最後の希望は、外国の軍隊の配備によって警察を補強し、ギャングに立ち向かうことかもしれない。アンリ首相が要請したこの任務は国連安保理が承認。ケニアによって主導されている。同首相は先週ケニアで、同国の警官1000人をハイチに派遣する協定に署名した。
しかし現地での混沌が続く中、こうした援軍がポルトープランスにやってくる望みは薄れている。アンリ氏の辞任表明を受け、ケニアは部隊の派遣を延期すると発表した。ハイチの政権が不安定だというのがその理由だった。