フーシ、攻撃をインド洋に拡大と威嚇 喜望峰回りの迂回航路阻む
(CNN) 紅海などで船舶へのミサイル攻撃などを多発させているイエメンの反政府武装組織「フーシ」は17日までに、攻撃を仕掛ける範囲をインド洋に拡大すると威嚇した。
報道担当者がテレビ放映の演説で述べた。イスラエルや米国に関係する船舶がインド洋を通過し、南アフリカ南端部にある喜望峰を回る航路に切り替えることを阻止するとした。
フーシは紅海やアデン湾での船舶への攻撃は、パレスチナ自治区ガザ地区へのイスラエルの侵略行為に対する報復と宣言。ミサイルやドローン(無人機)などを使った攻撃を繰り返している。
このため商船などは紅海を回避し、インド洋を南下して喜望峰を回る迂回(うかい)の航路を選ぶことが目立っている。インド洋にまで攻撃範囲を広げるとの威嚇が、具体的な被害が出る現実となった場合、商船の航路の選択肢が非常に限られてくる可能性もある。
イランが後ろ盾のフーシのアブドルマリク・フーシ指導者は14日、これもテレビ演説でイスラエルが関係する船舶がインド洋から喜望峰へ向かう航行を阻む考えを示していた。
海事情報企業「アンブリー・アナリティクス」によると、フーシが紅海などでの攻撃を加速したのは昨年11月下旬以降となっている。攻撃件数はこれまで約100件となっている。
ガザ地区でイスラム組織「ハマス」によるイスラエルへの大規模奇襲を受けた戦闘が勃発したのは昨年10月7日だった。
紅海などを利用する船舶を守るため米英両国軍はイエメン内にあるフーシの拠点を空爆を続ける対抗措置に出ている。