メローニ伊首相、ディープフェイクポルノ被害で提訴 1600万円の賠償求める
ローマ(CNN) イタリアのメローニ首相が、10万ユーロ(約1600万円)の損害賠償を求めて民事訴訟を起こしている。自身のディープフェイクのポルノ動画がネット上に流れたことを受けて、提訴に踏み切った。
メローニ氏は7月2日に、サルディーニャの裁判所での証言を求められている。提訴した相手は男性2人で、メローニ氏の顔をポルノ動画の出演者の顔に合成した動画を作成した疑いが持たれている。動画は2020年に米国を拠点とするポルノサイトに投稿したとされる。
訴えられたのは40歳と73歳の父子。メローニ氏からの民事訴訟に加え、名誉毀損(きそん)で刑事告訴もされている。
警察が捜査したところ、父子は携帯電話を使用して複数のポルノ動画及びポルノ画像を作成、アップロードしていた。
当該の動画が投稿された当時、メローニ氏は首相を目指して政治活動中だった。その後22年の選挙で圧勝し、首相に就任した。
刑事告訴状によれば、オンライン上では複数の画像が数カ月間アップされ、数百万人が閲覧。まだネットに流れている画像もあるという。
メローニ氏の弁護士は、CNNの取材に答え、本人の意向により訴訟で得られた賠償金は全て内務省内に設置された家庭内暴力 (DV)被害者のための基金に寄付される予定だと述べた。
弁護士がイタリアのメディアに伝えたところによれば、メローニ氏は自らが前例となることで、リベンジポルノやディープフェイクポルノの被害者が声を上げ、自分たちの名誉を傷つけた相手を告発するのを望んでいるという。