イスラエル、ガザ北部への人道支援の3割拒絶、南部は1割 国連
(CNN) 国連人道問題調整事務所(OCHA)は31日までに、パレスチナ自治区ガザ地区へ届ける人道支援物資でイスラエル当局が今月中に搬入を拒んだのは同地区北部向けでは総量のうちの3割、南部向けでは1割だったと報告した。
イスラエル軍兵士は、支援物資を積んだトラックなどの車列の検問所での通過を「頻繁に遅らせたり、拒んだりしている」と指摘。「検査や拘束をし、時には車列や物資の到着を待っているガザ住民らへ暴力を働いている」と述べた。
支援活動は、食料、燃料や病院向けの補給品や水などの引き渡しに加え、緊急医療要員の移動や公衆衛生関連の活動も含まれるとした。
OCHAによると、今月1日以降にイスラエル当局の許可を得て実施したガザ北部への支援活動は計29件と説明。この他、18件は拒絶され、13件は延期したり撤回したりしたという。
ガザには支援物資が十分に届かず、深刻な飢餓到来も現実味を帯びる人道危機にある。イスラエルは援助物資の運び入れに「制限はない」と主張しているが、ガザへ進入する地上経路も限られ、物資の検査も厳しい。
一部の諸国は海上ルートや空中投下で支援物資をガザへ供与しているが、量的にはガザ住民が必要とする分を十分に満たせる水準とはなっていない。