イスラエル、ラファ攻撃以外の「選択肢なし」 ネタニヤフ氏が米議員団に明言
イスラエル・ハイファ近郊(CNN) イスラエルのネタニヤフ首相は27日、米連邦議会の議員団に対し、パレスチナ自治区ガザ地区の情勢について「向こう数週間」もあればガザで「勝利」し、イスラム組織ハマスの幹部らを「仕留める」ことができるとの見方を示した。
エルサレムを訪れた超党派の議員団を前に語った。この中でネタニヤフ氏は「これまで(ハマスの)幹部らを数多く殺害してきた。ハマスのナンバー4とナンバー3もその中にいる。これからナンバー2とナンバーワンを仕留める。それこそが勝利だ。勝利は手の届くところにある。向こう数週間だ」と主張した。
イスラエル首相府によると、今回の議員団訪問は親イスラエルのロビー団体、米国・イスラエル公共問題委員会(AIPAC)が組織した。ネタニヤフ氏は「超党派の支援を維持することが極めて重要だ」「とりわけ現在のような試練の時には」と訴えた。
その上で、イスラエルにはラファに向けて進む以外「選択肢はない」と強調。国が「まさしく存亡の危機に直面している」との認識を示した。
今週、ネタニヤフ氏は政府代表団のワシントンへの派遣を中止した。米国の棄権を受け、ガザでの即時停戦を求める国連安保理決議が可決したことへの抗議だった。
米国のオースティン国防長官、サリバン大統領補佐官(国家安全保障担当) 、ブリンケン国務長官はイスラエルのガラント国防相との会談で、同国はガザ南部ラファへの攻撃に対する「代替手段」を見つける必要があると述べた。攻撃が実施された場合、民間人が危機に陥り、現地の苦難が一段と深まる恐れがある。
ホワイトハウスは27日、ネタニヤフ氏がイスラエル代表団のワシントン訪問の日程を再検討することで合意したと明らかにした。ラファでの作戦遂行の可能性について議論するとみられる。