イスラエル軍撤収の病院、新たに15人の遺体を収容 ガザ市
(CNN) パレスチナ自治区ガザ地区で15日、イスラエル軍が2週間前に撤収したガザ市のシファ病院周辺から新たに15人の遺体が収容された。ガザ住民と医療チームがCNNに語った。
病院の敷地には多数の遺体が埋められたとみられ、家族を捜す住民らが地面を掘って収容作業を進めている。
作業現場に出動した救急車の運転手はCNNとのインタビューで、「病院内に埋まっている遺体を収容するために呼ばれた。掘削チームとともに午前9時に到着し、15人の遺体を掘り出した」と語った。
ガザ文民保護当局の報道官は先週、イスラエル軍が1日に撤収してから、病院周辺で数百人の遺体が収容されたと話していた。
CNNが15日に撮影した映像には、作業中の医療スタッフが映っている。一部のメンバーは国連のマークがついたベストを着ていた。掘削現場のわきに並ぶ白い遺体収納袋には、「身元不明遺体」の文字や名前が書いてある。
ガザに住む男性は「攻撃当時、病院内にいた母親にきょう別れを告げた」と話す。75歳の母親は、イスラエル軍がシファ病院やその周辺を占拠した日の3日前から入院し、3日後に亡くなったという。男性は「イスラエル軍が患者や看護師、医師、避難民から水や医薬品、食料を奪った」と非難した。
別の男性はCNNに、1日からずっと母親を捜し続け、ついに遺体が見つかったと話した。母親は脱水状態と栄養不良の症状で病院に運び込まれていた。男性が「身元不明」と書かれた袋を開け、母親の腐乱遺体を確認した場面の映像もある。
イスラエル軍は、シファ病院での作戦でテロリスト数百人を殺害、拘束したと主張したが、裏付けとなる証拠は示していない。