首都で衝突、国会では乱闘 「外国の代理人」法案めぐり ジョージア
(CNN) 旧ソ連の構成国だったジョージアの首都トビリシで16日、激しい論議が続く「外国の代理人」法をめぐってデモ隊と警官隊が衝突した。国会で審議されている同法案に対しては、野党や西側諸国が批判を強めている。
同法案は、ロシア政府が反体制派の弾圧に利用している法律になぞらえて「ロシア法」と呼ばれて批判の的になっている。与党「ジョージアの夢」は昨年、抗議運動が相次いだことを受けて法案をいったん取り下げていたが、今回、再び国会に提出した。
法案は外国から資金提供を受ける組織に対して「外国の代理人」としての登録を義務付ける内容で、違反すれば罰金が科せられる。この内容については、基本的な自由の制限を狙ったものだとして人権団体も批判していた。
ジョージアのサロメ・ズラビシビリ大統領は16日、「トビリシで2夜連続、ロシア法に反対する大規模抗議運動」とSNSに投稿。「国民の意思に反し、パートナーの抗議を押し切ってこの法案を押し通そうとする当局の主張はあからさまな挑発であり、不安定化をはかるロシアの戦略だ」と述べ、大統領に法案が送られた場合は拒否権を発動すると宣言した。
法案を推進している与党ジョージアの夢は国会で過半数を制しており、大統領の拒否権を覆すこともできる。
活動家のテレグラムに投稿された映像には、国会議事堂の周辺からデモ隊を排除しようとする警官隊が映っている。警官隊はデモ参加者の服をつかんだり、放水したりしている様子だった。
内務省は、16日の衝突で同省の職員少なくとも1人が負傷したと発表した。
この前日には国会で乱闘が発生。現地のテレビ局は、与党党首が野党議員に顔面を殴られ、続いて議員数人を巻き込んだ乱闘に発展する場面を放送していた。