カタール、ガザ戦闘休止などで調停役の役割見直しを表明
(CNN) パレスチナ自治区ガザ地区でのイスラム組織「ハマス」とイスラエルの戦闘をめぐって、戦闘休止や人質解放のための国際的な交渉を主導するカタールのムハンマド首相兼外相は21日までに、仲介役としての自国の役割を包括的に再検討する考えを示した。
カタールが維持するハマスとの関係への批判に反発した発言ともみられている。同首相は国際的な調停努力の現状への懸念も表明。自国の調停努力が紛争の一部当事者による「狭量な政治的利害」を得る試みに悪用されているとも主張した。
自国の役割には限界があり、建設的な交渉に参加する能力にも限度があると強調。ドーハでの記者会見で、人質解放や停戦実現を進める協議が機微に触れた対応を迫られる段階にある中で、調停役としての見直しを強いられているとも述べた。
一方で、専門家らはカタールがこれらの交渉から完全に身を退く可能性は打ち消している。米国の密接な協力国でもあるカタールは、ハマスなどがガザに連れ去ったイスラエル人人質の100人以上の解放などを実現させるためエジプトとも協力して交渉している。
同首相は、狭量な政治的利害を求めているとする当事者について具体的には言及しなかった。ただ、今回の役割見直しの発言は、カタールによる人質解放交渉などがハマスへの圧力不足で成果を見なかった場合、米国はカタールとの関係見直しをせざるを得ないとしたホイヤー米下院議員の最近の見解を受けた形ともなっている。
在米のカタール大使館は16日、同議員の発言内容への驚きを示す声明を出し、不満が募る状況であることには共感できるとしながらも、カタールはイスラエルやハマスを制御できるわけでもないとも主張。米国の友人でもある調停役を非難かつ威嚇するのは建設的ではないとも説いていた。