イスラエル首相、停戦合意にかかわらず「ラファ侵攻」
リヤド/エルサレム(CNN) イスラエルのネタニヤフ首相は4月30日、イスラム組織ハマスとの停戦交渉の結果にかかわらず、パレスチナ自治区ガザ地区南部ラファに地上侵攻すると述べた。エジプトが提案した新たな停戦の枠組みは現在、ハマスが検討しているが、今後の交渉に影響が出る恐れがある。
イスラエル首相府によると、ネタニヤフ氏はガザに拘束されている人質の家族に、イスラエル軍の部隊は「(交渉案の)合意の有無にかかわらずラファに侵攻し、ハマスの戦闘員を排除する」と伝えた。
イスラエル軍は同日、司令官らが「今後の任務」を承認したと明らかにしたが、複数の米当局者はCNNにラファへの侵攻が差し迫っている兆候はないと述べた。
ラファには100万人超が避難しており、侵攻すれば多数の犠牲者が出る恐れがある。そのため、米国を含むイスラエルの同盟国は、民間人の安全を確保するための十分な措置が取られない限り、ラファ侵攻は支持しないとイスラエルに警告してきた。
ブリンケン米国務長官は、「民間人が実際に保護される計画」を米国はまだ目にしていないと指摘している。
今回エジプトが提案した停戦の枠組みでは、ハマスに対し最大33人の人質の解放を求め、それと引き替えにイスラエルはガザでの戦闘行為を停止する。
イスラエルとハマスの交渉は数カ月にわたり膠着(こうちゃく)状態に陥っていたが、今回の提案に双方が合意すれば戦争の終結に向けた大きな進展となる。