ガザ停戦に向けた人質解放の新提案、ハマスが検討へ 合意ならラファ侵攻回避か
リヤド/エルサレム(CNN) 米国のブリンケン国務長官は29日、イスラム組織ハマスに対して示された停戦提案について「イスラエルの側からすれば並外れて寛大」な内容だとの見解を表明した。
中東サウジアラビアの首都リヤドで述べた。ブリンケン氏は世界経済フォーラム(WEF)のブレンデ総裁に対し、「現時点でガザの人々と停戦の間に立っているのはハマスだけだ」「彼ら(ハマス)は早急に決断しなくてはならない」「彼らが正しい決断を下すのを期待する」と語った。
エジプトのシュクリ外相も発言し、イスラエルとハマスが提案を受け入れることに期待が持てるとの認識を示した。
エジプトが提案した新たな停戦の枠組みでは、ハマスに対し最大33人の人質の解放を求め、それと引き替えにガザでの戦闘行為を停止するとしている。交渉に詳しいイスラエルの当局者がCNNに明らかにした。
イスラエルは提案の策定に携わり、その内容にも完全に合意している。提案は2つの段階に分かれる。まず数週間の間に20~33人の人質の解放を要求。交換条件として停戦とパレスチナ人の囚人の釈放を提示する。第2段階で残りの人質と捕らえられたイスラエル軍兵士、人質の遺体を、追加で釈放するパレスチナ人の囚人と交換する。
情報筋らはこの第2段階を「持続的平穏の回復」と呼んでいるが、これは恒久的な停戦について合意するための一つの手段として言及しているという。
イスラエルとハマスの交渉は数カ月にわたり膠着(こうちゃく)状態に陥っていたが、今回の提案に双方が合意すれば戦争の終結に向けた大きな進展となる。しかし合意が成立しなければ、イスラエルはガザ南部ラファへの大規模な地上侵攻に踏み切る恐れがある。
交渉に詳しいイスラエルのある当局者は、エジプトが双方に1年間の停戦で合意するよう提案してきたと説明。これは包括的な取り決めの一環で、イスラエル軍のガザからの撤退と、全ての人質及び死亡した人質の遺体の解放を念頭に置いているという。
CNNはエジプト政府にコメントを求めている。
ハマスは恒久的な停戦とイスラエル軍のガザからの全面撤退を合意に盛り込むべきだと主張。イスラエルはこれまでのところ、ガザでの作戦はハマスを掃討するまで継続すると断言している。