イラン大統領ら搭乗のヘリが不時着、大規模捜索続く
(CNN) イラン当局者らによると、同国北西部・東アゼルバイジャン州の山中で19日昼過ぎにヘリコプターが不時着し、搭乗していたライシ大統領とアブドラヒアン外相が安否不明となった。
現場では夜が更けて気温が下がるなか、軍用ドローン(無人機)や数十組の救助隊による大規模な捜索作業が続いている。
当局者らによれば、ヘリ搭乗者の一部とは連絡が取れたものの、救急チームは濃霧と厳寒に阻まれ、不時着現場に到達できていない。
現地の革命防衛隊司令官は19日深夜、ヘリの機体と乗員1人の携帯電話からの信号を受けて正確な位置を突き止め、軍部隊が向かっていると述べた。
ライシ師のインスタグラム公式アカウントや国営テレビは一行の無事を祈ってほしいと呼び掛け、ハメネイ最高指導者も同様のビデオ声明を出した。
国営イラン通信(IRNA)によると、ライシ師らはアゼルバイジャン国境でダムの開設を記念する式典に参加した帰りだった。要人を乗せて同時に飛んでいたヘリ3機のうち、ほかの2機は目的地に無事到着した。
マンスーリ副大統領は政府系ファルス通信に、現場の半径2キロ圏内を特定したと述べ、連絡が取れた搭乗者2人の話として、深刻な事故ではなかったとの見方を示した。
エイノラヒ保健相は国営テレビとのインタビューで、現場に救急車などを派遣して医療態勢を確立したと述べた。
軍当局者らによると、複数の軍用ヘリが救助作戦のために現場へ派遣されたが、悪天候で作戦は失敗に終わったという。
ライシ師はハメネイ師の後継者として有力視されてきた人物。2021年の大統領選で当選し、翌年の反政府デモを厳しく弾圧した。