政権転覆企てた「ハインリヒ13世」が出廷、議会襲撃計画めぐる公判 ドイツ
(CNN) ドイツ政府の転覆を企てたとして起訴された貴族の男が21日、裁判所に出廷した。極右による議会襲撃計画を明らかにする大規模公判の一環。
企てを主導したとされているのはハインリヒ13世ロイス公(72)で、政権転覆後にドイツの国家元首に就任する計画だった。
ロイス公は他の8人の被告とともに、フランクフルトに特設された厳重警備の法廷に出廷した。この中には司法相就任をもくろんでいたとされる元判事、ビルギット・マルザック・ビンケマン被告も含まれる。
反逆罪に問われている首謀者9人は連邦議会議事堂を襲撃し、シュタンマイヤー大統領を拉致することで、暴力を通じドイツ帝国を復興する計画だったとみられている。
21日に始まった公判はシュツットガルトとフランクフルト、ミュンヘンで行われる三つの公判の二つ目。ドイツ現代史上で最大規模のテロ裁判となる。
被告は計27人に上り、ロジスティクス上の理由から三つの公判に分けられた。判事5人に加え、フランクフルトの公判では他にも判事2人が待機する。証人約260人が召喚され、現場の安全を確保するため最大45人の警官が動員される。
ドイツ政府を転覆して戒厳令を敷く企ては2022年に発覚した。起訴内容によると、一味は21年8月から、政府を内閣のような評議会と軍事組織で置き換えることを計画していたという。