避難民が集まる学校にドローン攻撃、10人死亡 ガザ北部
(CNN) パレスチナ自治区ガザ地区北部のジャバリヤ近郊で25日、住民らの避難先として使われていた学校がドローン(無人機)による攻撃を受け、現地の医療関係者によると子どもらを含む少なくとも10人が死亡した。
病院で撮影されたCNNの映像には、白いシーツに包まれた複数の遺体が映っている。医療従事者が見せたのは、顔に傷を負った幼い男児の遺体だ。目撃者の男性によると、男児と父親、女児が死亡した。
国連人道問題調整事務所(OCHA)は25日、X(旧ツイッター)への投稿で、ガザの医療体制は「崩壊寸前」だと訴え、病院などの物資不足が深刻化していると指摘した。
OCHAが世界保健機関(WHO)の集計として報告したところによると、ガザ地区にある36病院のうち、24日までに21の病院が機能停止に追い込まれ、15の病院が業務の一部を停止した。診療を続けている野戦病院は6カ所とされる。
ガザ保健省によると、稼働中の病院では入院患者が定員の4倍を超え、燃料や医療用品、医療機器の不足で閉鎖の危機が迫っている。
ガザ南部ラファにあるクウェート病院の責任者はメッセージアプリ「ワッツアップ」を通して、ラファ中心部で負傷者を24時間受け入れられるのは同病院だけだと強調し、WHOに稼働継続への支援を求めた。
国際支援団体によると、ガザ中部では一部の避難民への水の供給が必要最低限とされる量の3%にとどまり、幼児を中心にA型肝炎とみられる感染症などがまん延している。
WHOのテドロス事務局長は先日、イスラエルに対し、ガザに搬入される物資への制限をすべて解除するよう要請した。