拘置所の職員2人を人質に、ISIS系の収監者を「排除」 ロシア国営通信報道
(CNN) ロシア南部ロストフナドヌーの拘置所で現地時間の16日午前、収監者6人が職員2人を人質にして立てこもる事件があり、数時間後に職員が救出された。ロシア国営メディアが伝えた。
RIAノーボスチ通信によると、ロストフ州の連邦刑務局はこの事件にかかわった収監者が「排除され」、人質にされていた職員は無傷で解放されたと説明した。
ロシア国営タス通信はこれに先立ち、今回の事件に関与した収監者のうち数人について、テロ関連の罪で裁判にかけられる予定で、過激派組織イスラム国とつながりがあると報じていた。
ロシアのメディアに出回った写真や動画では、少なくとも2人の収監者が親イスラム過激派のマークが入った黒いバンドを頭に巻き、別の1人はイラク・シリア・イスラム国(ISIS)の旗を持っていた。親イスラム過激派のマークを額に付けた男が、自分たちはイスラム国だと宣言する動画もあった。
こうした動画についてCNN独自の検証はできていない。今回の事件に関する犯行声明は出されていない。
ロシア反政府ブロガーからは、ロシア工作員が仕組んだ事件だった可能性があるとして懸念の声が出ている。
受刑者の権利擁護団体のウラジーミル・オセチキン氏は、拘置所内でどうやって「過激思想の被疑者が工作員の助けなしに連携できたのか」と疑問を投げかけた。
タス通信が捜査当局の話として伝えたところによると、16日午前、職員2人を人質に取ったグループは、職員の解放と引き換えに移動手段を要求した。同グループはポケットナイフやゴム警棒、消防斧(おの)で武装していたとされる。