苦境の英保守党、選挙絡みの賭博疑惑浮上で動揺

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先月22日、次の総選挙について発表する英国のスナク首相/Henry Nicholls/AFP/Getty Images

先月22日、次の総選挙について発表する英国のスナク首相/Henry Nicholls/AFP/Getty Images

(CNN) 英与党・保守党が、敗色濃厚とされる選挙戦の真っただ中で賭博スキャンダルに揺れている。

同国のPAメディアは20日、保守党候補のローラ・サンダース氏が違法賭博の疑いで監視機関の取り調べを受けていると報じた。英BBCは、総選挙のタイミングを賭けの対象にしたことへの調査だとしている。総選挙は7月4日に実施予定。

立候補する前、サンダース氏は保守党で働いていた。英メディア各社の報道によると、結婚相手のトニー・リー氏は同党の選挙対策責任者だという。

BBCによれば、リー氏も選挙日程に関する賭博を行った疑いで英賭博委員会の調査対象となっている。投票日が2週間後に迫る中、同氏は現在役職を離れている。

サンダース氏はこの件に関するコメントを控えた。保守党の広報担当者はCNNへの声明で、賭博委員会から党内の数人について連絡を受けたことを明らかにした。その上で、同委が独立した組織であるとの理由から、何らかの進展が認められるまで詳しいコメントは控えるとした。

保守党の候補が賭博委員会の捜査を受けるのは、サンダース氏で二人目。

議会でスナク首相の側近を務めていたクレイグ・ウィリアムズ氏には、選挙が7月に実施されることに100ポンド(約2万円)かけた疑いがかかっている。賭けは首相が公式に選挙日程を発表する3日前に行われているという。

先週ウィリアムズ氏はBBCの取材に答え、「大きな判断ミスを犯した」として謝罪。賭博委員会がこの問題を調べていることを認めていた。

19日には、首相の警護を担当していた警察官1人にも調査が及んだことが報じられた。ロンドン警視庁によれば、現在職業上の基準の観点から調査が行われており、当該の警察官は職務から外れているという。

野党・労働党は一連の疑惑について、保守党で常態化する縁故主義の最新事例でしかないと批判。新型コロナウイルスのパンデミック(世界的大流行)の時期、政府からの大口の契約を保守党とつながりのある人々が受注していたケースを引き合いに出した。

保守党は19日、SNSのX(旧ツイッター)に「労働党に賭ける」選択への警告として回転するルーレットの動画を交えた内容を投稿。しかし党関係者が選挙日程を賭博の対象にしていたとの疑惑が浮上すると、20日に投稿を削除した。

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