核保有国、核能力の強化進める SIPRI報告書

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今年5月、モスクワでの軍事パレードで披露された大陸間弾道ミサイル「ヤルス」/Contributor/Getty Images

今年5月、モスクワでの軍事パレードで披露された大陸間弾道ミサイル「ヤルス」/Contributor/Getty Images

ロンドン(CNN) 地政学的な緊張が高まる中、核保有国が核能力の強化を進めているほか、一部の国では核兵器もしくは核の搭載が可能な兵器システムを準備していることがわかった。 スウェーデンのストックホルム国際平和研究所(SIPRI)が17日、新たな報告書を発表した。

報告書によれば、米国とロシア、英国、フランス、中国、インド、パキスタン、北朝鮮、イスラエルの核保有国9カ国は兵器備蓄の近代化を継続している。中国は初めて、平時に少数の核弾頭をミサイルに配備する可能性があるという。

SIPRIのダン・スミス所長は報告書で、「冷戦時代の兵器が徐々に解体されているため、世界の核兵器の総数は減少し続けているものの、残念ながら、運用可能な核弾頭の数は年々増え続けている」と指摘。こうした傾向は今後も継続する可能性が高いほか、今後数年で加速する可能性もあると懸念を示した。

SIPRIによれば、2024年1月時点で、世界の核弾頭の数は推計1万2121発。このうちの約9585発は潜在的な使用のため軍事的に備蓄されている。SIPRIによれば、ミサイルや航空機などに配備されている核弾頭は推計3904発で昨年1月よりも60発増加した。

配備されたもののうち約2100発は弾道ミサイルに対する高度な警戒態勢を保っている。こうした態勢の核弾頭のほぼすべては米国かロシアのものだが、中国も初めて一部の核弾頭を高度な警戒態勢に置いたと考えられている。

中国の核弾頭の保有数は推計500発と昨年1月の410発から増加した。SIPRIによれば、保有弾頭数の増加は今後も続くとみられる。

SIPRIは北朝鮮について、同国の核開発プログラムは引き続き国家安全保障戦略の中心的要素だと指摘。約50発の核弾頭と、最大90発に必要な分の核分裂性物質を保有しているとみられる。こうした数字は昨年1月の推定値を大幅に上回るとした。

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