フランスのウクライナ支援、極右政党から首相誕生なら抑制 ルペン氏が明言
パリ(CNN) フランスの極右「国民連合(RN)」を率いるマリーヌ・ルペン氏は、自党から首相が誕生した場合はウクライナ政府に対し、仏供与の長距離兵器でロシア領内を攻撃するのを容認しないことになると明言した。またマクロン大統領が示唆する仏軍のウクライナ派兵も阻止すると約束した。
CNNの番組司会者、クリスティアン・アマンプール記者との4日のインタビューで語った。ルペン氏によると、マクロン大統領が派兵を希望しても首相がそれに反対すれば派兵は実施されない。「最終決定権は首相にある」(ルペン氏)
フランスは7日に総選挙の2回目の投票を控えている。世論調査ではRNが定数577のうち最多の議席を獲得するとみられるものの、絶対多数には届かない見通し。それでもマクロン氏はRNに次期首相を選出する機会を与える公算が大きい。
ルペン氏の教えを受けた党の若きリーダー、ジョルダン・バルデラ氏は以前、十分な差を付けてRNが勝利すれば首相職に就く考えを示していた。
たとえRNから首相が選ばれなくても、仏議会は今後あらゆる立法行為を極右中心に進めて行かざるを得なくなる。
マクロン氏はウクライナに対して西側の武器によるロシア領内の攻撃を公に容認した最初の指導者の一人だった。これを受けウクライナは、自国への攻撃に使用されるロシアの軍事基地や編隊、ミサイル発射装置を標的に据えることができるようになっていた。
ルペン氏はCNNの取材に答え、仏兵士のウクライナ派兵阻止に加え、仏供給兵器によるロシア領内の攻撃許可も撤回する意向を示した。
同氏はウクライナ情勢に関する唯一の「越えてはならない一線」として、フランスが「共同参戦国」になる状況を挙げた。ただ西側首脳の大半は、現時点でそのような兵器の供給がウクライナの共同参戦国になることを意味するとは考えていない。
ルペン氏はこの他、サッカー仏代表のスターであるキリアン・エムバぺ選手を厳しく批判した。同選手はこの数週間、他の多くの著名人に加わる形でコメントを発し、極右に権力を渡さないための投票行動を呼び掛けている。
ルペン氏はこうしたコメントに反論。「エムバペ選手は移民の背景を持つフランス国民を代表してはいない。なぜならそうした人々の大半は最低賃金で暮らし、住宅も暖房も手にする余裕がないからだ。彼らはエムバぺ氏のような人々よりも格段に数が多い」と語った。