農場で「奴隷状態」のインド人労働者33人を解放 イタリア
ローマ(CNN) イタリア財務警察は17日までに、同国北部ベローナ近郊の農場で「奴隷状態」に置かれていたインド人労働者33人が解放されたことを明らかにした。
警察の発表によると、このグループは休日なしで連日10時間以上の労働を強いられていた。賃金は時給4ドル(約630円)ほどで、その支払いさえ滞ることがあったという。労働者の身元や性別は公表されていない。
警察はさらに「元締め」とされるインド人容疑者2人から、現金50万ドル(約8000万円)を押収した。労働者らを「安い労働力」として「売買」することで得た金とみられる。
警察の報道官によれば、労働者らはインド人の「あっせん業者」に合法的な就労を約束されてイタリアへ渡った。渡航費用や、偽の季節労働許可証の取得費として、1人1万7000ユーロ(約290万円)を支払っていた。多くの労働者はさらに、常用雇用の労働許可証を取るためとして1万3000ユーロを請求されたという。
元締めの容疑者は労働者らの口を封じて服従させるため、イタリア到着直後にパスポートを取り上げて老朽化した宿舎に閉じ込めた。外出は厳禁とし、抵抗すれば体罰を与えると脅して、実際に行使することもあった。
警察は現在、容疑者2人と「安価な労働力」を買い取っていた企業などとの関係を調べている。
イタリアでは自国民を含む「闇労働」が全労働者の11%以上を占め、農業部門を中心に人身売買の横行が問題になっている。
先月には果樹園のインド人労働者が腕を切断される大けがを負って死亡し、当局が捜査を進めている。