バチカン、元駐米大使の大司教を異例の破門 教皇批判で分裂策動と

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カルロ・マリア・ビガノ大司教=2014年、米ニュージャージー州ニューアーク/Gregory A Shemitz/Reuters/File

カルロ・マリア・ビガノ大司教=2014年、米ニュージャージー州ニューアーク/Gregory A Shemitz/Reuters/File

(CNN) ローマ教皇庁(バチカン)は11日までに、フランシスコ教皇を超保守的な立場から批判していたイタリア人のカルロ・マリア・ビガノ大司教を教会の分裂を企てたなどとして破門したとの声明を発表した。

同氏はバチカンの元駐米大使も務めていた。バチカンでの高位聖職者の破門は極めて異例の措置。バチカンは、即時に効力を持つ破門は「超法規的な刑事手続き」を通じて決まったとした。ビガノ氏は以前、この手続きの合法性を認めないと反発してもいた。

教皇庁の声明は、同氏は教皇の権威を認めず、ローマ・カトリック教会の他のメンバーとの交流にも応ぜず、教会の公式的な教義にも従わなかったとした。

ビガノ氏は2018年、ワシントン大司教区の元枢機卿の関与疑惑があった修道僧への性的虐待に絡んで教皇の辞任を要求する衝撃的な内容の書簡を発表。教皇はこの疑惑を承知していたにもかかわらず行動を起こさなかったとも非難していた。

バチカンはその後の調査でビガノ氏の言い分に異議を唱え、教皇に責任はないと断じていた。

ビガノ氏は最近もフランシスコ教皇の教皇への選出は「無効とすべきだ」とし、「異端信仰と分裂」の行動も批判していた。新型コロナウイルス禍を踏まえた教皇のワクチン支持の姿勢を問題視し、同性愛に友好的な教会のあり方を唱えているとも反発していた。

18年に教皇の退任を求めた際に米国内の一部の司教らはビガノ氏を支持する声明を発表する事態ともなっていた。

バチカンによると、破門の措置はビガノ氏に伝えられた。破門解除は教皇庁だけが持つ権限となっている。 

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