フィリピン、中国人向けのオンラインカジノ禁止へ
(CNN) フィリピンのマルコス大統領は22日、国会での施政方針演説で、中国など外国の顧客向けのオンラインカジノの運営を全面的に禁止すると表明した。
同国のオンラインカジノは登録済みまたは未登録の業者が運営し、中国人を中心に数万人が雇用されている。
マルコス氏が即時発効の禁止令を発表すると、議員からは総立ちの拍手が起きた。同氏は、合法的な運営会社を装った業者がゲーム以外にも金融詐欺や資金洗浄、売春、人身売買、誘拐、拷問、さらには殺人に手を出しているとの懸念を指摘。「わが国の法制度を乱用し、軽視する重大な行為をやめさせる必要がある」と訴えた。
マルコス氏は南シナ海をめぐる中国との緊張が高まるなか、中国関連の事業に対する強硬姿勢を強めている。
一方、中国政府はマカオ以外での賭博を禁止し、東南アジアなど外国での賭博行為も取り締まっていることから、フィリピンの動きを歓迎するとみられる。在フィリピン中国大使館は先月、フィリピン当局にオンラインカジノを禁止するよう呼び掛けていた。
フィリピンのオンラインカジノ業界は2016年に登場し、親中派で知られたドゥテルテ前大統領の容認姿勢の下で急成長した。
フィリピンの規制当局によると、同国には登録済みのオンラインカジノ業者が46社、未登録の違法業者が数十社ある。マルコス氏はすべてについて、年内に閉鎖するよう指示した。