イスラエル軍、ヒズボラ拠点を報復攻撃 全面戦争の懸念強まる

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27日の攻撃で殺害された子どもたちの棺/Menahem Kahana/AFP/Getty Images

27日の攻撃で殺害された子どもたちの棺/Menahem Kahana/AFP/Getty Images

(CNN) イスラエルが占領するゴラン高原に対するロケット弾攻撃を受け、イスラエル軍は28日、イランを後ろ盾とするレバノンの武装組織ヒズボラの拠点を同日空爆したと発表した。この空爆で死傷者が出ているかどうかは現時点で分かっていない。

これに先立つ27日の攻撃では、シリアとレバノンの国境に近いゴラン高原の町マジュダルシャムスに約30発のロケット弾が撃ち込まれ、イスラエル首相府によると子ども12人が死亡、44人が負傷した。同地域では再び全面戦争に発展しかねないとの緊張が高まっている。

マジュダルシャムスを訪れたイスラエルのガラント国防相は、ロケット弾攻撃について「ヒズボラの仕業だ。彼らはこの代償を払うだろう」と強調した。

一方、ヒズボラは、この攻撃への関与を「断固として否定する」と述べている。

イスラエル外務省やCNNの取材に応じた住民によると、27日の攻撃で死亡したのはサッカー場で遊んでいた子どもたちだった。米国のブリンケン国務長官は28日、イスラエルの見方に同調し、ヒズボラのロケット弾攻撃だったことを示唆する「あらゆる痕跡」があると述べた。

ゴラン高原はイスラエルが1967年の第3次中東戦争でシリアから奪い、81年に併合した。国際法と国連安保理決議では占領地とみなされている。同地にはアラブ系住民約2万人のほか、イスラエルのユダヤ人入植者約2万5000人が住んでいる。

アラブ系住民のほとんどは自分たちをシリア人とみなし、イスラエルの市民権を拒んでいる。マジュダルシャムスの地元当局は28日、死亡した子ども12人はいずれもイスラエルの市民権を持っていなかったと指摘した。

28日には犠牲者の葬儀が営まれ、棺(ひつぎ)が葬儀場へ運ばれる沿道には死者をいたんで数百人が集まった。

葬儀で演説したイスラエルの野党指導者ヤイル・ラピド氏は、「サッカー場で死んだ子どもは自分の子かもしれなかった。彼らは私たち一人ひとりの子だ」と語った。

しかし住民の多くはイスラエル極右のベザレル・スモトリッチ財務相を非難。同氏に詰め寄って退去を要求し、警備員が同氏を退出させた。

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