極右の暴徒、亡命希望者の避難所襲撃 過去数年で最悪の社会不安、英国
(CNN) 英イングランド北部で4日、亡命希望者の避難所として使われているホテルに暴徒らが放火し、侵入した。同国はここ数年で最悪の社会不安に直面している。
この暴動は、イングランド北西部の街サウスポートで先月末に起きた少女3人の刺殺事件がきっかけで発生した。極右の暴徒らは、犯人が移民であるという虚偽の主張を含む偽情報を拡散。反イスラム、反移民の抗議運動をたきつけた。警察によると、事件の容疑者は英国生まれだ。
CNNが位置情報を特定した映像には、抗議者らがイングランド北部タムワースとロザラムのホテル2軒を破壊し、放火する様子が映っている。
地元当局によると、タムワースでは抗議者らが物を投げつけ、窓ガラスを破壊し、放火。警察官1人が負傷した。ロザラムでは、木の板を投げつけ、警官に向かって消火器を噴射、ホテル付近の物に火をつけたあげく、建物に侵入するために窓を割った。
ロザラムのホテルは恐怖に満ちていたという。
英国のスターマー首相は4日、3日夜から少なくとも147人が逮捕された暴力的な抗議活動を非難。暴力行為に関わった人物には完全に法が適用されることになると警告した。
スターマー氏は、英国の人々は安全である権利があるにもかかわらず、イスラム教徒のコミュニティーなどが標的にされ、人種差別的な表現をもって理不尽な暴力が行われているのを目にしたと話し、こうした行為は極右の暴力行為だと断じた。
英国の警察相は、騒乱を引き起こした極右の暴徒に対して「素早く逮捕する」アプローチを取るとした一方で、軍隊を投入する必要はないとしている。