刃物襲撃で3人死亡、シリア国籍の男が出頭 ドイツで高まる反移民感情
(CNN) ドイツ西部ゾーリンゲンで23日に起きた殺傷事件で、シリア国籍の男が出頭し、フェスティバル会場にいた人たちを刃物で襲ったと供述している。警察が明らかにした。
この事件では67歳と56歳の男性と、56歳の女性の3人が死亡し、数人が負傷した。野党からは移民に対する規制強化を求める声が強まっている。
ドイツ検察は容疑者について、26歳の男で過激派組織イラク・シリア・イスラム国(ISIS)のメンバーだったと発表。男はゾーリンゲンのフェスティバル会場でできるだけ大勢の人を殺害する狙いだったとしている。ISISはアマク通信を通じて犯行を認める声明を出しているが、それを裏付ける証拠はない。
捜査当局はこの事件に関連して難民施設を捜索し、15歳の少年を逮捕していた。
事件はゾーリンゲン市内の広場で行われた市の創立650周年記念の「多様性フェスティバル」会場で発生。集まっていた大勢の人たちが無差別に狙われ、音楽公演が行われていたステージの近くにいた観客が刃物で殺傷された。
犠牲者に手向けられた花束=24日、ドイツ・ゾーリンゲン/Sascha Schuermann/Getty Images
ドイツでは刃物を使った犯罪が増えており、内務省はこの問題に対応するため法規制強化を提案している、
容疑者がシリア国籍だったと確認されたことを受け、野党「キリスト教民主同盟(CDU)」は、シリアとアフガニスタンからの移民受け入れ停止を要求。極右政党「ドイツのための選択肢(AfD)」はドイツの移民政策に非難の矛先を向けている。
今回の事件でドイツの反移民感情がさらに強まり、東部の3州で来月予定されている選挙でAfDが得票を伸ばす可能性もある。