妊娠9カ月で中絶したとされる女性、殺人容疑で捜査 中絶禁止法のない韓国で

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韓国の国会議事堂/efired/iStockphoto/Getty Images

韓国の国会議事堂/efired/iStockphoto/Getty Images

当時保守派や宗教団体からの厳しい反対に直面していた生殖権擁護者にとって、中絶の非犯罪化は大きな勝利だった。反対派の一部は米国の中絶反対運動とつながりがあった。

性と生殖に関する健康と権利の擁護団体は中絶を処罰の対象ではなく健康の権利として分類し、政策を策定するよう求めてきたが、新しい政策は可決されていない。伝統的なジェンダー規範が重視される同国で議員に強い影響力を持つ宗教団体が、国会での中絶政策に関する議論に再び反対しているのだ。

中絶薬は禁止

明確な規制がないため、女性と中絶処置の提供者は現在、何が許可され、何が他の法律に抵触する可能性があるかについての指針がほとんどないグレーゾーンで活動している。

韓国では中絶処置を受けられる場所に関して信頼できる情報を得るのは難しいうえに、中絶は公的医療制度の対象外だ。

人権団体ヒューマン・ライツ・ウォッチ(HRW)のスザンヌ・ソンウン・バーグステン氏は、多くの場合、女性は口コミに頼って中絶を行う病院を見つけ、自腹で数百ドルの費用を支払わなければならないと述べた。

中絶手術は現在厳密に言えば合法だが、妊娠初期に中絶するための安全かつ手頃で効果的な方法である中絶薬は合法ではない。これは韓国の女性が生殖権を行使する上で依然として困難に直面していることを浮き彫りにしている。

全米家族計画連盟の診療所に置かれた中絶薬ミフェプリストンの錠剤=7月18日、米アイオワ州/Charlie Neibergall/AP
全米家族計画連盟の診療所に置かれた中絶薬ミフェプリストンの錠剤=7月18日、米アイオワ州/Charlie Neibergall/AP

韓国の裁判所は5月、郵送で中絶薬を届けるカナダのNGO「ウィメン・オン・ウェブ(WoW)」とデジタル権利団体「オープン・ネット・コリア」の訴えを退けた。訴えの内容は、韓国で19年以降ブロックされているWoWのウェブサイトへのアクセスを解放するよう求めるものだった。

同ウェブサイトでは10週目までの妊娠に有効な中絶薬ミフェプリストンを販売している。この販売が薬事法違反にあたるため、アクセスがブロックされているという。

WoWは最高裁判所に上訴している。

先の11の女性団体とNGOは声明で、中絶薬は主に闇市場で入手可能であると述べ、「現時点では政府が妊娠後期の中絶や匿名出産につながる状況を悪化させていると言っても過言ではない」と批判した。

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