死亡率16%超、ダウラギリ登山のロシア人5人が滑落死 ネパール
(CNN) ネパールの高峰ダウラギリ山(標高8167メートル)登山に挑んで行方不明になっていたロシア人登山隊の5人が遺体で発見された。在ネパール・ロシア大使館が8日、CNNに明らかにした。
大使館によると、これまでの調査の結果、5人は斜面を滑落して死亡したと思われる。
当局は登山隊の残るメンバーと連絡を取りながら、身元を確認して本国に送還するため、山中から遺体を収容できるかどうか検討している。
ネパール中部のヒマラヤ山脈にあるダウラギリ(サンスクリット語で「白い山」の意味)は世界で7番目の高峰で、急な斜面や過酷な寒さのため、登頂に成功したのは1960年のスイスとオーストリアの登山隊が初めてだった。
ダウラギリ登山の死亡率は16%をやや上回り、危険度は極めて高い。記録によると、2022年春までに647人がダウラギリを踏破した。
ロシア登山連盟によると、今回の登頂は民間団体が組織した。経験豊富な登山家で組織する一行は9月初めに出発。少人数のチームに分かれて順番に前進し、次々にキャンプを設営していく伝統的な「包囲法」で登山していた。
5人と連絡が取れなくなったのは、頂上を目指して出発した後の10月6日。この5人に加わる予定だったもう1人の隊員は、体調不良のために断念していた。
一行がダウラギリに挑んだのは、登山シーズンが終わったオフシーズンで、当時は困難な天候だったと登山連盟は指摘している。
ロシア国営RIAノーボスチ通信は、遺体発見場所とされる写真を公開した。写真は8日にヘリコプターから撮影したもので、登山連盟の担当者は「一行は安全ロープで一緒に結ばれていて、一緒に斜面を滑落した」と推測している。