北朝鮮、韓国との道路と鉄道を遮断と発表
ソウル(CNN) 北朝鮮軍は9日、韓国とつながる道路、鉄道を完全に遮断する「軍事的措置」を発表した。
北朝鮮軍総参謀部は朝鮮中央通信(KCNA)を通し、朝鮮半島の軍事情勢が緊迫していることから、自衛のために断固とした、より強力な措置を取る必要があると主張。緊迫化の要因として、韓国での軍事演習や「米戦略核戦力の訪韓」を挙げた。米軍からはこの1年間に、原子力空母や水陸両用の強襲揚陸艦、長距離爆撃機、潜水艦が韓国入りしている。
北朝鮮軍は遮断措置を「要塞(ようさい)化」プロジェクトと呼び、判断ミスや偶発的な衝突を避けるため、9日午前に米軍に通知したと述べた。
韓国軍によると、北朝鮮は今年1月から、南北軍事境界線沿いで地雷や対戦車防御壁の設置、 鉄道施設の撤去などを進めていた。
同時に、金正恩(キムジョンウン)総書記は韓国を「第一の敵対国、不変の主敵」とみなし、敵対姿勢を強めてきた。この表現は、総参謀部の今回の発表にも使われている。
北朝鮮側の発表を受け、韓国軍統合参謀本部は9日、破綻(はたん)した金正恩体制の不安感からくる必死の策だと述べ、北朝鮮の孤立を深めるばかりだと批判した。
韓国の専門家は、北朝鮮が外部からの脅威を誇張することにより、経済難の責任転嫁やミサイル、核軍拡の正当化を図っている可能性を指摘した。