韓国戒厳令、「民主主義が簡単に脅かされることを痛感」 各地で集会
韓国では1980年代、陸軍少将だった全斗煥(チョンドゥファン)元大統領がクーデターで実権を掌握し、戒厳令を布告した。国民は厳格な夜間外出令の下で暮らし、「屋外にいるところを捕まった人は全員、三清教育隊に連行された」とミレさんは振り返る。
「たばこを吸おうと外に出ただけでも逮捕される可能性があった」「身分証明書を携帯せず通りを歩いていた人は拘束された。至る所に私服警官が配置され、人々を捕まえようと目を光らせていた」
全大統領の統治の下、反対派の逮捕や大学の閉鎖、政治活動の禁止、メディアの抑圧が発生。80年には学生の民主化デモの鎮圧に軍隊が投入され、200人近くが亡くなった。
教師のギョンスさん(55)はCNNの取材に、多くの学生が命を落とした光州の大学のそばに住んでいたことを明かした。
「私は恐怖に満ちた環境で育った」。ギョンスさんは4日夜にソウル市役所付近で開かれた別のキャンドル集会でそう語り、「戒厳令については深い個人的な感慨がある。昨日ですら、国会議事堂で銃撃が起きるのではないかと心配だった」と吐露した。
ギョンスさんは、戒厳令は「単なる遠い記憶ではない」と語る。「民主主義がいかに簡単に脅かされるかを痛感した」