ブラジル象徴するキリスト像、管理めぐり教会と国の間で論争に

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日の出時に撮影されたコルコバードの丘に立つキリスト像=5月17日、ブラジル・リオデジャネイロ/Ricardo Moraes/Reuters

日の出時に撮影されたコルコバードの丘に立つキリスト像=5月17日、ブラジル・リオデジャネイロ/Ricardo Moraes/Reuters

(CNN) 南米ブラジルのリオデジャネイロを見晴らすコルコバードの丘に立つキリスト像。宗教シンボルや観光名所であると同時に、永遠のブラジルの象徴でもある。

幅約28メートルにも及ぶ両腕を広げた像は、年間400万人あまりの観光客を歓迎しているように見える。しかしこの像の管理と将来の在り方について、宗教や環境保全、統治をめぐる論争が巻き起こっている。

今年10月、キリスト像がある土地の管理を連邦政府からカトリック教会に移管する法案が提出された。法案を支持する側は、教会が管理するようになれば長年のインフラやアクセス問題が解決されると主張する。これに対し、ブラジルの世俗性や環境保護の取り組みが脅かされるとして反対する声もある。

キリスト像は1922年、カトリック教会によってチジュカ国立公園内に建設された。3953ヘクタールの広大な森林がある同公園は1861年、世界に先駆けて大規模再生プロジェクトに認定。2012年にはユネスコの世界遺産に登録され、現在は絶滅危惧種も含めて1619種の植物と328種の動物が生息する。

公園にはリオデジャネイロの街とグアナバラ湾、大西洋を見晴らす絶景や滝、遺跡などの見所があり、ハイキングやサイクリングを通じて美しい自然を満喫する観光客や地元住民でにぎわう。

しかしコルコバードの丘のように交通量の多い場所は、観光と保全の間で微妙な均衡を保つ必要がある。

法案は、キリスト像と周辺の区画をチジュカ国立公園から切り離し、リオデジャネイロ大司教区が管理する独立区画とする内容。この区画については教会のみが責任を負い、必要な修復なども教会が行う必要がある。一方でチケット販売収入も教会のものとなる。

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