トランプ氏、100%の関税示唆 BRICSが新通貨創設なら
(CNN) トランプ次期米大統領は、中国とロシアが支援する新興国グループ「BRICS」の加盟国に対し、自身の在任中に新たな通貨を創設しないよう求める考えを示した。この考えに反した場合100%の関税を課すとしている。
トランプ氏は30日午後、自身のSNS「トゥルース・ソーシャル」に「我々が傍観している間にBRICS諸国が脱ドルに向かおうとする考えは終わりだ。我々はこれらの国々に対し、新たなBRICS通貨を創設せず、強力な米ドルに代わる他の通貨も支持しないという約束を求める。さもなければ、100%の関税に直面し、優れた米国経済への販売を断念することになる」と投稿した。
BRICSは2011年からブラジル、ロシア、インド、中国、南アフリカで構成されてきた。今年初めにイラン、サウジアラビア、アラブ首長国連邦(UAE)、エチオピア、エジプトが正式に加盟。10年以上ぶりに拡大した。
ブラジルは23年、南米で共通通貨を創設し、米ドルへの依存を減らすことを提案した。
米ドル建てシステム以外でBRICS通貨と銀行ネットワークを利用するようになれば、ロシア、中国、イランなどの加盟国が西側諸国の制裁を回避できるようになる可能性がある。しかし、加盟国の経済的、地政学的な違いにより、新通貨が実際に誕生する可能性は低いとみられる。
BRICSは、米国の世界的なリーダーシップに挑戦するため主要国とのパートナーシップを緊密にしようとしている中国にとって貴重だ。また、22年のウクライナ侵攻以降、西側諸国から経済的、外交的に敬遠されてきたロシアも恩恵を受けている。
ロシアのプーチン大統領と中国の習近平(シーチンピン)国家主席は10月のBRICS首脳会議で、西側諸国は世界で孤立している一方で、世界の大多数の国々は米国の世界的リーダーシップに挑戦する両国の試みを支持しているというメッセージを発信しようとした。