レバノン南部で22人死亡、制止振り切って帰還の住民をイスラエル軍が攻撃
(CNN) レバノン保健省は、同国南部で26日、少なくとも22人がイスラエル軍の攻撃により死亡し、124人が負傷したと発表した。イスラエルとの国境に面した集落の住民は、イスラエルの制止を振り切って避難先から自宅へ戻ろうとしていた。
イスラエルはレバノンの武装組織ヒズボラとの停戦合意に基づき、26日までにレバノン南部から撤退するはずだった。
しかしイスラエル政府は24日、レバノンが合意を守っていないと主張して、26日の期限を過ぎても軍は撤退しないと表明した。これに対してレバノン軍は、イスラエルが「引き伸ばし」をはかっていると非難した。
レバノン保健省は、イスラエル軍が占領を続ける町に入ろうとしたレバノンの市民を、イスラエル軍が攻撃したと発表。レバノン軍によれば、死者のうち1人は「イスラエルによる銃撃の標的にされた」兵士だった。
CNNが確認した映像には、レバノン南部クファルキラの住民が、徒歩で自分たちの村に戻ろうとする様子が映っている。ヒズボラの旗を掲げる住民や、今回の戦争で死亡した戦闘員の写真を抱えた住民もいる。
26日、ブルジュ・アル・ムルクで男性が負傷者を担いで運ぶ様子/Karamallah Daher/Reuters
これに先立ちイスラエル軍は26日、イスラエルと国境を接するレバノン南部の60あまりの集落の住民に対し、追って通知があるまで帰還を禁止すると緊急通告していた。
イスラエル軍は「部隊に接近する容疑者が確認された多くの地域で、脅威を排除するため警告射撃を行った」と述べ、取り調べのため容疑者多数を取り押さえたと付け加えた。
国連は双方に対して合意の再確認を求め、レバノン軍の要請で国連平和維持部隊がレバノン南部に展開していると述べた。